褒める?褒めない?

みなさん、こんにちは。秋田アドラー心理学勉強会・勇気づけリーダーの坂本明子です。

中1の娘が学校で描いた水彩画が展示されると聞いて、能代から秋田市役所の展示ホールまで見に行ってきました。

娘の通っている中学校の中で選ばれたいくつかの作品が送られ、全県から集まった作品の中でも、娘の描いた絵は入賞したとのことで展示されているようです。

こんな出来事があったとき、みなさんはお子さんに何と声をかけますか?

すごい!

さすが!

すばらしい!

次は最優秀賞狙えるんじゃない!

あなたならできると思ってた!

子どもは褒めて伸ばそう!なんていう子育て論もよく聞く昨今ですが、アドラー心理学を学んで以来、わたしはこのような褒め言葉を使わなくなりました。

では、どんな言葉をかけるのか?

今回でいえば、どんな気持ちでそれを描いて、どんなこだわりや工夫があったのか、あなたの言葉でぜひ教えて!というように、娘の話す内容に完全に興味が移った、ということになるのかもしれません。結果に注目して(今回で言えば入賞という結果)そのこと自体を褒める、ということは、ほとんどなくなりました。

単純に娘が普段どんなことを思っているのか、何を大事に過ごしているのかを知ることの方がずっとずっと楽しく、そして、その方が娘との関係がとてもイイ感じ(軽い表現かもしれませんが、まさにこれ!)なのです。もしかしたら、わたしが発するのは、ちょっとした質問や相づちだけかもしれません。

この知らせをもって帰ってきたときも「えっ!?入賞?どんな気持ち?」とまずは聞きました。すると「嬉しいけど、ちょっと悔しいかな」と言ったので、「嬉しいのはわかるけど、どうして悔しいの?」と。こうやって考えると、結果だけに注目して褒めるって、とても一方的な関係です。

アドラー心理学でいう「共感」とは、相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じること。

そして、「わたしはいつもあなたの仲間である」という「横から目線」

アドラー心理学を学ぶと、上記のすごい!さすが!・・・・は、かなりの「上から目線」に聞こえてくるから不思議なものです。

こうやって、子どもの話をじっくり聴くと、その子らしさがわかるポイントや、成長が感じられるポイントがたくさんあることに気づかされます。そしてその「あなたらしさ」がわたしは大好きなんだと、いつも伝えています。

結果ではなく、過程に注目、というより、もう過程にしか興味がないといってもいいくらい。

また話を聴いていくと、一番こだわったところは、なんとタイトルだという娘。

どんなタイトルなの?それってどういう意味?と、会話が続きますが、娘は決しておしゃべりなタイプではありません。普段の会話で、今学校でこんな絵を描いているんだ、というような話は一切ありませんでした。おしゃべりな子なら、こういうのちょくちょく話すのかなぁ?

思えば、保育園から小学校中学年のころまで、学校でのことはこちらから質問しても、ほとんど話さない子どもでした。自己完結型なんだろうなーと当時は思っていましたが、わたしが聴き上手ではなかったんだろうなと、今は反省しきりです。

また、美術の先生が「画用紙の白いところを無くすように、木の周りの白いところも塗ったほうがいい」とアドバイスをくれたようですが、娘は「はーい♡」と調子よく返事をして、忘れたふりをしてそのまま提出したとのこと( ̄▽ ̄)

白いところが自分のこだわりポイントだったから塗りたくなかった、でも先生とやりあうのは面倒だったと。もしもアドバイス通り塗ってたら吉と出ただろうか、それとも凶と出ただろうか・・・・ということに話題が及んだものの「そうまでしても、そこは塗りたくなかったとは、よっぽどのこだわりだったのね」と、あくまでも娘の気持ちに寄り添って最後まで話を聴きくことに徹します。先生のアドバイスに従わなかったことについての良し悪しのジャッジもしません

思春期といわれる年齢ですが、小学生の頃よりも会話が増えているような気がします。わたしの話の聴き方が変わったからかなぁと思いますが、どうでしょう。

子育てにおいて、子どもを褒めるのか、いや褒めてはいけないのか、それともメリハリをつけて褒めたり叱ったりした方がいいのか。正直な話、そこが問題ではないといつも感じます。

失敗したときだって、悔しいときだって、一般的に悪いといわれるような行為をしたときだって、つまり、どんなときだって、ただ寄り添って話を聴いてあげられる仲間。友達感覚という意味ではなく、「対等な関係」でいたいといつも思っています。

それがアドラー心理学の「勇気づけ」の基本となる心のあり方かなぁ。

ちなみに、そばでわたしと娘のやり取りを聞いていたわたしの母(娘にとっては祖母)は、手放しで「〇〇ちゃんはすごいねぇ、エライねぇ」と褒め言葉を連発しておりました(笑)

子どもにとっては、いろんな関係性を学べるいい機会なので、祖父母らからの褒め殺しは、アリ!とわたしは思っています(^_-)-☆

娘の絵はこちら。遠足で行った十二湖の青池。

こだわりの白いところは、木の幹のあたりのこのへんだとか、これは先生が撮影した写真を元にしたけど色はほとんど好きなように塗ったんだ、などの裏話を聴きながら鑑賞するのもとても楽しい時間でした。

そして気になるタイトルは「青池は青いらしい」

これでも青いっていうの?とちょっとケンカ腰にも聞こえないこともないですが、わたしはこのシュールなタイトル、うん、娘らしくて大好きです!

明日から新学期が始まりますね。学校が、すべての子どもたちが伸び伸び自分らしさを発揮しながら、仲間と成長しあえる場所であることを願います。

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